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るい動物病院のブログ 知多半島エリアで往診専門の動物病院をしています
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”何もしない”ことと、”何もできない”こと
2015年11月23日 (月) | 編集 |
11月28日(土)午後、および11月30日(月)午前中は休診となります。
ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。


先日、往診に伺っていた猫ちゃんが亡くなったとの連絡をいただいました。

11月1日のブログで触れた、あのネコちゃんです。

16歳の高齢猫ちゃん。
血液検査上は内臓にもホルモンの数値も大きな異常はなく、腫瘍の気配も感じられませんでしたので、いわゆる老衰だと思われます。

やせ細った体でしたが、ご飯を食べようとする気力はあるようで、でも、咀嚼する気力がないのか諦めてしまう日もあり、一進一退を繰り返しながら頑張っていました。

『何もせずに放っておくことはできないのだけれど、どこまでしてあげることがこの子のためになるのか・・・』

私が自分の猫を世話していた時も思いましたが、治せない疾患を患ったり、老齢になった子をケアしている飼い主さんは、皆さん悩み、考えながら日々を過ごすのだと思います。

ペットは自分の意思を言葉で表現しませんので、どこまでの治療するのかしないのかについては飼い主さんが決めることになります。


私の勝手な思いですけど、”ここから先、治療を続けることはこの子のためにならないのかな”、というタイミングは、それぞれに違うと思います。
でも、毎日一緒に過ごし、お世話をしている飼い主さん自身で自然に気付けるのではないかと思うんです。





訪問医療の場合、点滴治療など、少し治療に時間がかかる処置の場合、滞在時間が増えるので、飼い主さんをお話をする時間が増えます。
その飼い主さんとも、いろんなお話をする中で、今まで飼っていたペットの話をしてくださいました。


”今まで飼っていた犬も猫も、最期は病院に連れていくことをしなかったんです。
だから、その子達に対しては後悔ばかりが残っているんです、と。

多分、今回も往診に来てもらうことがなければ病院に連れていくことがストレスになるので、家でこのままみていたと思うんです。
だから、こうして往診で治療していただけるのであれば、今回は絶対に後悔したくないんです。

今回、来てもらって一番よかったことは、血液検査でどこも悪くなかったということ。
今までの子は、『どこが悪かったんだろうな』って悔やんでばかりだったので
どこも悪くない、この子は老衰なんだって思ったら、自分の気持ちに少し整理がつけれた気がします。”

その後も頻繁に点滴や診察に伺っていましたが、全く食欲が廃絶し、伺った時の様子が明らかに前回よりも衰弱が進んでいると判断したタイミングで、飼い主さんと相談の上、その日も治療を行わず、治療終了としました。

その日から2日後に、お父さんとお母さんに看取られて穏やかに虹の橋を渡っていったとのことでした。

cc-library010008633.jpg

治療を終了してからの2日間、きっと飼い主さんはいろんなことを考えらえれたのではないかと思います。
治療をしないで、ただ見ているだけの時間は、もしかしたら辛い時間だったのかもしれません。
何もすることがなくても、最期まで私が通ってあげたほうが、飼い主さんの気持ちを和らげることができたのかな、と、このような場面に出会った時は毎回思います。


何も治療をしなくても、
最後の最後まで精一杯治療しても、
途中で治療を終了しても、

モノ言わぬペットの最期を看取る際は、何かしらの後悔は絶対に残ると思います。正しい答えはありません。

ただ、

ここから先は何もしないで自然に任せる・・・ということは、ちゃんと考えて選択した答えであり、”何もできなかった”こととは違うと思います。正しい答えがない中でも、それは”正しい決断”なのだと自信を持ってもらっていいと思うんです。


『往診に来てもらえなければ、何もしないでこのまま様子を見ていたと思う』

私が往診に伺うようになって、飼い主さんからよく聞く言葉です。

勤務医時代には気付けなかったこと。
”可愛い我が子だからこそ、無理なストレスをかけないために動物病院には連れていかない”という選択をして、様子を見ている人が案外多いのだということ。

確かに、後々振り返ったら無理な延命だったと感じてしまうこともあるかもしれないし、結局助けてあげることができない場合も沢山あります。

ただ、ちょっと医療が介入することで、びっくりするくらい元気になったり、病気そのものを治すことができなくても、飼い主さんと一緒に過ごせる時間を増やしてあげることができる場合も沢山あります。

そんなときに往診を利用せずとも、かかりつけの先生に電話で相談してもらうだけでもいいので、”何もしなかった””何かしてあげればよかったかな”という後悔をして欲しくないな、と思います。

大切なペット達と過ごした時間は、最期の最期まで、素敵な時間でありたいですもんね。












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コメント
この記事へのコメント
お世話になったミータが亡くなって
半年以上がたちます。

今でもミータのことを思うと
涙が出ます。
でも、その涙は
後悔よりも、「ありがとう」の涙です。

オゾン療法も、
枇杷のお灸も、
ホモトキシコロジーも、
ミータはやっていただきました。
偏屈人嫌いの猫でしたが、
がんばってくれていましたよね!!

往診でなければできなかったと思います。
ごめんなさい、ではなくて
ありがとう、という命の送りかた。

ご縁があってうちの子になった新しい猫うりとせとら、
毎日すさまじいばかりの暴れ方ですが、
不思議とミータとキラの骨壺には
いたずらしないんです。

あなや~
2015/11/26(木) 20:34:52 | URL | ミータママ #-[ 編集]
読んでいて・・・涙が出ました。
素晴らしい役割を果たせていますね。
友人として、誇りに思います。
2015/11/27(金) 02:06:37 | URL | chun #Y0BAREbE[ 編集]
>ミータママさま
ご無沙汰しています。

私が開業して間もなくからミータさんとお付き合いさせていただき、ミータさんとお母さんからは、本当にたくさんのことを経験させていただき、学ばせてもらいました。

お母さんのミータさんを想う気持ちになんとか答えたくて、できる治療を自分なりに一生懸命探し、ミータさんもそれに答えてくれて、本当に頑張りましたよね。

そーですか、うりちゃんとせとらちゃん、骨壺にイタズラしないんですね。
2匹ともそこにいて、新しい後輩たちを見守っているんでしょうね。

お呼びがかからないということは、元気な証拠で何よりですが、たまには2匹の成長ぶりを見たいものです。
2015/11/28(土) 22:44:13 | URL | maco #-[ 編集]
>chun
ペット達を囲んで、それぞれのお宅にそれぞれのドラマがあって、その一部分に関わらせてもらえるこの仕事は、本当に素晴らしい、ありがだいことだなと感じています。

往診をするようになって、なんとなく飼い主さんやペットとの距離が近くなっている気がするので、より一層そう感じるようになりました。
2015/11/28(土) 22:47:57 | URL | maco #-[ 編集]
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