るい動物病院のブログ 知多半島エリアで往診専門の動物病院をしています
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リードが絡まったワンコ
2015年10月30日 (金) | 編集 |
ある日の夕方、予約のお宅の診療を終えると携帯に留守電が。

『犬のリードが足に絡まって取ることができなくなっているので、何とかならないものか・・・』とのこと。

こちらから電話をかけ直してみると、

”車庫につないでおいたらリードが足に絡まり取れなくなっている。高齢になって目が見えにくくなっているせいか、最近はご飯をあげるときでも飼い主さんに威嚇する態度を見せるようになり、とても手が出せない”

ということでした。

”獣医療”という域は外れているかもしれませんが、お声からすると年配のご婦人で、とてもお困りのようですし、鎮静剤等が必要なら獣医師にしか処置はできませんし。

実際にお伺いすると、昔風ではありますが、敷地の広い立派なお屋敷です。
どうやら朝から庭師さんがお庭の手入れに入ったそうで、いつもいる犬小屋から、車庫の中に繋ぎかえて1日過ごしていたようなのですが、夕方見たら左の後ろ足にグルグルに絡まっていたのだそうです。

20キロ近い13歳のミックス犬。
よだれも垂れて興奮気味。かなりパニック状態なのでしょう。

『麻酔でも打ってもらわないと外せないと思って・・・』

確かにそうなのですが、麻酔を打つ・・・というのは、体に注射しないといけないわけで、私が咬まれないようにするためには、飼い主さんに支えてもらわないといけないのです。。。飼い主さんが咬まれないようにするためにはそれ相応の準備が必要。
また、高齢犬に何の検査もなく鎮静剤を打つのはためらわれますが、そんなことは言ってられない緊急事態。

麻酔のリスクは短時間で説明させてもらいましたが、やるしかない。

ただ、とてもそのまま触れる状況ではないので、やむを得ず口輪を付けようとしますが、口輪を咬まれてブルンブルン。

エリザベスカラーを付けてみようと思ってもそれも咬まれてブルンブルン。。

紐で口を締めようかと思っても、紐も咬まれてブルンブルン。。。。


さてさて、さすがに困りました・・・・。


『どなたか男手っていらっしゃいます?』
『主人は4年前に亡くなっているんです・・・』

そうですか・・・・。
しばし悩む私。。。。



車庫の柱にリードがくくりつけてあるのですが、グルグル巻きになっている分、ワンコさんの可動域は30~40センチしかないので、ちょっとひらめきました♪


『何かちょっと大きめの板ってあります??』

『あー、あるある!』

さすがお庭の広いお屋敷。庭の片隅にちょっと古ぼけた感じのスノコ状の板が。

これでワンコさんの顔から上半身を車庫の壁にサンドイッチ状態に挟み込むと、顔は隠れますし、お尻は出るので鎮静剤も打てそうです。

施設の診療でも、どうしようもなく触れないワンコさんの時に、入院室の扉を外して診察室の壁とサンドイッチにして注射をすることがあるのを思い出しました。

挟んでみたら、うまくいきそうな気配。

『お母さん、こうやってしっかりと板を抑えててもらうことできます??』
『大丈夫、まかしといて!』

飼い主さんと2人がかりでワンコさんを抑え込み、何とか鎮静剤の注射ができました。

鎮静がかかったところで、絡んだリードを外しました。
リードも太いものでしたし、カッチカッチに絡んでいて、外すのにも一苦労しました。
鎮静がかかっているうちに、抱えていつもの犬小屋に繋ぎかえて、ひとまず処置は終了。

今の鎮静剤は、拮抗薬と言って鎮静作用を打ち消す注射があるので、往診という短時間の滞在でも目が覚めたことを確認してから帰れます。

絡まっていた足を痛めていないか確認しないといけないので、覚醒するまで飼い主さんと雑談。

『私、いくつ(何歳)に見える??』

飼い主さんが私に聞いてきました。私の母と同世代か少し上に見えそうなご婦人。

『74,5歳くらいです?』

と答えると

『85歳なんだわね』

え~~~~~、若い!!!!
背筋もシャンとして、すごくしっかりして見えます。

私、半分力仕事みたいな作業を85歳のおばさまと2人で頑張ってしまった!

私、まだお母さんの半分しか生きてないですよ(^^)、なんて話をしながら覚醒を確認し、しっかりと4肢を着いて、私に唸ってくる元気が戻ったことを確認して一安心できました。

飼い主のお母さん、ものすごく喜んでくださいました。

今回はうまくいったので美談(笑い話?)になりますが、お互い痛い思いをしなくて本当に良かったと思いますし、高齢犬の鎮静処置は、万が一の対応が往診では限界はありますので、かなり緊張します。

できるだけこういうことは起こらないといいよな、と思うのでした。









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