るい動物病院のブログ 知多半島エリアで往診専門の動物病院をしています
"覚悟する”ことと”諦める”ことは違う
2016年11月22日 (火) | 編集 |
私は往診専門ですから、動物病院に連れていくこと自体がストレスになるような高齢犬や、さまざまな病気の末期の患者さんからの依頼が多くなります。

『かかりつけ医からは、もうやることはないと言われた』
『このまま治療を続けるのも可哀想だから、無理して通院せずにおうちで看てあげたほうが・・・』

そんな患者さんです。

私も勤務していた十数年は、そういった決断を下さざるを得ない状況にしばしば遭遇してきました。
決して軽い気持ちではなく、それがおそらく一番よい選択なのではないかと思っていたからです。

状態が悪いのに、車に揺られ、待合室で待ち、診察台の上で治療する・・・それが患者さんにとって有益と思われないケースも出てくるのは事実です。

ただ、そう言われて動物病院とのご縁が切れた飼い主さんが、その後、どんな思いで、我が子と接しているのだろうかということを真剣に考えることはなかったかもしれません。

今は日常的にそのような患者さんと接しています。


自力で起き上がることができなくなった子は、なんとかして飼い主さんとコミュニケーションが取れるように。

食欲がなくなった子は、なんとかもう一度、美味しくご飯を食べてくれるように。

辛くて苦しそうな子は、なんとか気持ちよく過ごせるように。

腫瘍で、まだ元気はあるけれど、積極的治療は希望されない飼い主さんには、1日でも長く元気で穏やかに過ごせるように。

今まで十数年、本気でかかわることがなかった患者さんと、飼い主さんと真剣に向き合います。
いわゆる”ターミナルケア”です。

犬や猫の寿命は一般的に15~16年。
飼い主さんも永遠に一緒にいられないことは充分に承知されています。

いつか遠くない将来にお別れの日が来るという『覚悟』はしているのだと思います。

でも、状態が悪く、かかりつけ医になす術がないと言われても、私を、往診を呼ぶということは、『諦めたくない』のだと思います。
最期までなんとかしてあげたい、何かをしてあげたいと思われているのだと思います。

治療以外に飼い主になにかできることはないのか。
どうしたら、残された時間を気持ちよく過ごせるのか。
寝ている敷物の厚さはどんなものがいいのか。
お部屋の温度はどのくらいがいいのか。
何なら食べてくれるのか。そのように与えたらいいのか。
お水は冷たいままでいいのか、温めたほうがいいのか。
体が汚れた時はどうすればいいのか。
オムツはしたほうがいいのか、ペットシーツはどんなものがいいのか。
寝がえりはどのタイミングがいいのか、寝ているときは起こさないほうがいいのか。。

おうちによって、患者さんによって事情はすべて違ますから、本当にいろいろなことを聞かれます。
全てを的確にお答えできるわけではありません。

でも、今まで、こういった細かいことを獣医師に相談できず、不安なまま過ごされていたのかと思うと、今まで十数年、最後の最後まで関わることがなかった患者さんたちに申し訳なかったという思いさえすることがあります。

何か月も元気で頑張ってくれる子もいれば、ケアの甲斐なく数日で亡くなってしまう子も実際にはいます。
呼ばれたからには絶対に一度は元気にさせてあげたいと思っているので、落ち込むこともしばしばですが、私は往診を始めて、このような患者さんと接するようになってから、本当にこの仕事を選んで良かったと思えるようになりました。

・・・・最近、ちょっと落ち込むケースが立て続いたので、今日は自分自身を奮起するためのブログでもあります。

また、明日から頑張ります!!


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