るい動物病院のブログ 知多半島エリアで往診専門の動物病院をしています
ゴンちゃんの一大事!
2016年03月28日 (月) | 編集 |
去年の3月から、毎週1回、お伺いしているワンコがいます。


去年の8月にブログにも書いたワンコさん。

前足をかばっているワンコ

もう1年のお付き合いになりました。

16歳ですので、日々衰えていく感は拭えません。サプリのお世話にこそなっていますが、まだちゃんと食事も取れますし、ゆっくりとした足取りですが、介助もなく自分で歩けます。お尻の腫瘍もそれなりに上手にお付き合いできています。

ご自宅から300mくらいのところに公園があり、桜の季節は満開の桜に囲まれた素晴らしい景色になります。
『桜が咲いたら、あそこまでお散歩できるかなー、今年もゴンちゃんに桜、見せてあげたいね』なんて、話していたんですが、最近、心臓が悪いことが発覚し、1種類、投薬が増えました。
足どりと心肺機能を考えると、300mの距離は長いかな~、なんて、前回の訪問時には話していたのですが。。。

先日の夕方6時頃、飼い主さんから1本の電話が。

『私はまだ職場なんだけど、家のものから電話があって、ゴンが庭で倒れてるって。すごく息が荒いみたいなんだけど、家のものもすぐに仕事に出なくちゃいけないみたいで、、、どうしよう先生、なんとか見に行ってもらえないかな・・・』

その日は前日のポカポカ陽気が嘘のように、寒の戻りで風も強く、ものすごく寒い1日でした。

そんな中、16歳の老犬が倒れていて大丈夫なわけがありません。
飼い主さんは、今から帰っても1時間くらいかかる状況。

患者さんをヒイキするわけではありませんが、毎週伺っているお宅です。家の勝手も、ワンコの性格も把握しています。
毎週見に行かせてもらって、こんな不慮の事故のような形で、危険な状況になっているのを放ってはおけません。
1件往診の予定があったのですが、時間が遅れることをお伝えし(結局、後日伺うこととしました)、ゴンちゃん宅へ直行。

ガレージと生垣の間の細い砂利のところで、倒れているゴンちゃんの姿が。。。

『!!!???ゴンちゃん、生きてる???!!!』

近づくと、呼吸はしていますが、ものすごく荒く、瞳孔は見開いた状態で、ジタバタ動くわけでもなくぐったりしています。

大変です!!!一大事!!

ひとまず抱え上げてガレージの中へ。
いつもなら、私が触ろうとすると威嚇してくるのですが、そんな気力もなく。。。

車に戻って酸素ボンベを持ってきて吸入しながら体温を測ります。
ガレージは電灯がついていない(あったかも知れないけれど暗くてスイッチの場所がわからず)ので、往診バッグに入っている検眼鏡の細い光が頼りです。

36℃台・・・低体温です。(犬の体温は38℃代が正常なので、人と同じ36℃台だと危険な低体温です)

おそらく足がどこかにハマって倒れて動けなくなり、パニックになりバタバタしながら興奮しすぎてショック状態になってしまったと思われました。
いつから倒れていたかは不明ですが、よりによってこんな寒い日に、しかも心臓も悪くなっているので、ダブルパンチ、トリプルパンチです。。

最低限、ショックの治療をしたのち、保温をしてあげたいのですが、飼い主さんがいないので、毛布などもない、お湯も手に入らない。。。

どうしたらいい?
どうしたらいい?
どうしたらいい?

車には冷やすための保冷剤はクーラーボックスにありますが、保温できるものはありません。
ガレージに入れたので、風こそしのげましたが、体は冷たい。
往診は車に積んでいるものに限りがあります。時に野戦病院状態で、あるものを工夫しながら治療しないといけないこともしばしばですが、飼い主さんがいないこの状況は最悪です。

ガレージを見渡しても、毛布のようなものはありません。

どうする?どうする?どうする、私???

酸素を吸入しながら、頭フル回転しながら、策を考えていると、”ザク、ザク”と、お庭の砂利の上を人が歩く音が・・・。

隣のお宅のおばさまでした。
ゴンちゃんが幼いときからずーっと可愛がってくれている、ゴンちゃんも大好きなおばちゃん。
私も何度が往診の時にお会いしたことがあります。
飼い主さんが、このゴンちゃんの一大事を隣のおばちゃんにも連絡してくれ、心配して見に来てくれました。

これは救世主です!!!

『ゴンちゃん、倒れてて冷えちゃってるから、汚れてもいい毛布か何かがあったら持ってきてもらえないかな』

とお願いすると、快くご自宅に取りに帰ってくれました。
すぐに持ってきてくれた毛布は、人の冬用の布団の敷パッドです。起毛が柔らかく、普通に寝ても、とても暖かくなりそうな生地。

『これ、汚れちゃうけど、こんなイイものいいの???』

『ゴンちゃんのためだもの、全然気にしないで使ってもらっていいよ』

もう、その優しさに泣けそうです。

それでゴンちゃんの体を覆ってしばらくすると、毛布の温かさと、おばちゃんの温かい気持ちも手伝って、ゴンちゃんの体が温かくなるのがわかります。
ついでに点滴バッグをレンジでチンしてきてもらい、湯たんぽ代わりにして温めました。

30分ほどして、飼い主さんがご帰宅。

完全に見開いていた瞳孔が、ちょっと小さくなり、飼い主さんの顔を見るほど顔を動かすことはできませんが、目が飼い主さんを見ようとしているのが伝わります。ちょっと意識も戻ってきた様子です。

よかった。

玄関の中に敷物とペットシーツを敷いてもらい、そちらに移動。湯たんぽにしていた点滴バッグ、いい感じにぬるくなってきたので、それを使って点滴治療しました。
点滴しながら目がキョロキョロしていましたので、大丈夫にも思えましたが、なにしろ16歳。不安を抱えたまま帰宅しました。

翌日、まだ自分で体は起こせない様子。飼い主さんは、ゴンちゃんが寝ていたのでそのままにしていたそうですが、体を起こすと伏せの状態は取れるようになっていました。

倒れちゃった原因が、足を痛めたせいなのか、何が起こったのかわかりませんが、痛いところを探すのに、いろいろ触るとストレスになります。もともと触られることが好きではないワンコさん。
今日は痛い原因を探す時期ではないと思ったのですが、高齢で痩せてきているわんちゃんは、一回寝たきりになると、また歩くようにさせるのはとても難しい。解決できる原因があるならば、早めにフォローしてあげないといけません。
まだ心配を抱えたままゴンちゃん宅を後にしました。

そして休み明け、ゴンちゃんの往診に伺いました。

『ゴンちゃん、立ってる~~♪』

助けなしに、自分で立ちあがります、すごい!

前日の日曜はもっと元気で庭をウロウロ動きまわていたそうで、、、、ゴンちゃん、不死身です(^^)
ちょっと触ってみましたが、痛いところはなさそうで、ようやく少し安心できました。

でも、私が頭をナゼナゼしても、抵抗しないで受け入れている・・・まだまだ本調子ではありません。
早くいつものように、鼻スジをムキムキさせて威嚇してくるくらいの元気が戻ってくるといいなーと思うのでした。















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スマートフォン版のHPを更新
2016年03月25日 (金) | 編集 |
当院のHPはこちらになります。


るい動物病院

当院のHPは、ホームページ作成ソフトを使って自作しております。
私はパソコンが得意ではないので、HP作成にはかなり悪戦苦闘し、少々レイアウトが見にくい部分がありますがご了承ください(^_^;)

ホームページビルダーさんのソフトは良くできていて、最初にアップロードした時に、スマートフォン仕様のページも自動に作成してくれるという、素晴らしいものなのです。。。。

・・・・・ですが、

自動でアップされたスマートフォン版のHPは、レイアウトがぐちゃぐちゃ(ホントにグッチャグチャでした)になっていて、どーやったらレイアウトの変更ができるのかわからず・・・。

仕方ないので、スマホ版のページを削除して、PC版のみにしようと思っても、その方法もわからず。。。(泣)

2年越しで調べてみたら、全然難しいことではなく、2時間ほどの作業でようやく少し見やすいページができました。
スマホで当院をチェックしてくれていた方々、いままでご不便をおかけいたしました。

今年は、時間のある時に、

・シニアケアの話
・ペットの栄養の話
・代替療法をさらに詳しく

などなど、

HPの内容を充実をする予定でおりますので、HPも時々覗いてやってください。
ターミナルケアとは
2016年03月04日 (金) | 編集 |
るい動物病院を開設して1年と数か月が経ちますが、”往診診療” ”在宅医療”に携わる立場では、老衰であったり、慢性疾患の末期であったりと、いわゆる”看取りの医療・・・ターミナルケア”に関わる機会がぐっと増えます。

覚悟はしていたものの、せっかく呼んでいただいたのに、深く関わるまでもなくお別れの時を迎えることも多く、自分の仕事に対するモチベーションを、どのようにして維持していけばよいのか悩んでしまった時期があります。

勤務時時代だって、治療の甲斐なく亡くなってしまう患者さんもいましたし、老衰のケアや、慢性疾患と上手にお付き合いしながらお別れをしたケースだって普通に経験してました。

ただ、飼い主さんから『今までお世話になりました』という電話を受けて、ズーンと落ち込んだ後に、元気いっぱいの子犬のワクチン接種の診察をすることでテンションが上がったり、手術をして完治に持っていくことや、頑張って治療して患者さんが元気になる姿を見ることで、獣医としての充実感というか、達成感のようなものがキープできていたのかもしれません。

悶々とした日々を送りながら

『在宅医療を手掛けている人のお医者さんは、どんなことを考えているんだろう』

って考えたんです。

ペットはモノが言えませんが、人は自分の意思を表現できますし、人と人がお付き合いをすることで、そのお別れの現場は、ものすごく辛いものではないのかと、、、、。
そんな中でどうやって、モチベーションを維持しているんだろうって思いまして。

その時に読んだ本がこちらです。

穏やかな死に医療はいらない

外科医として医療の現場で積極的に働いていた著者の方が、『緩和ケア医』となって、その日常や想いが綴られた本です。

『ピンピンコロリ』 ではなく 『ゆっくりコロリ』

『治療をしないことは諦めることではなく、自分らしく生きることである。』

『自分の最期は自分で作る』

獣医は患者さんであるペット自身の意思を聞けないので、すべてが当てはまるわけではないのですが、ものすごく響くものがありました。

そして、、、

『在宅緩和ケア医=看取り屋』ではない。



自分が目指している往診診療、この本を読んでとても励まされた気がしました。




知人の獣医師に勧めた流れで久しぶりに本棚から出してきたこともあり、もう一回読んでみました。

・・・2回目読んでも泣きました。



ペットもそうですが、人の”在宅医療”のあり方に興味があるかたは、ぜひ一度読んでみるといいと思います。