るい動物病院のブログ 知多半島エリアで往診専門の動物病院をしています
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往診専門のジレンマ
2016年01月25日 (月) | 編集 |
先日のお話。

『雑種の高齢犬なんですが、最近おしっこがぽたぽたしか出なくて、元気もなくなってしまいました。中型犬なので車に乗せて病院に連れていくのも大変で・・・』

伺えたのが夕方5時半ごろだったので、辺りはもう真っ暗。
玄関先で飼育されていたのですが、暗くて状況判断が難しいので、玄関の中に入れてもらいました。

お腹を触ると膀胱がパンパンに張っています。

『尿閉』という状態です。

犬猫の尿閉の原因は、尿道に結石が詰まったり、膀胱の出口の部分に腫瘍ができたりすることで、オシッコを出したくても出せない状態になることです。
まれに触診で触れた大きな膀胱がすべて腫瘍だった・・・ということもありましたので、念のためモバイルの超音波エコーで確認しました。

エコーでは、パンパンに張った膀胱の中身はすべてオシッコ。腫瘍の影は確認できません。
膀胱結石の場合、エコーで特徴的な写りをしてきますので、大きなものなら確認できますが、ざっくり見た感じではその気配もない。

オスのわんちゃんの場合、膀胱からペニスの出口までの尿道の距離が長いので、小さな結石などが引っかかると栓をした状態となり、一瞬にしておしっこの出が悪くなります。

エコーでは尿道の問題は見ることができず、通常はレントゲンを撮って判断します。
当然レントゲンはありませんから、詳細の確認はできません。

いずれにしても、オシッコが出ないのは緊急事態。命に関わります。

結石が詰まっていると仮定して、ペニスの先端から引っかかりのあるところまで細い管を挿入し、生理食塩水の入った注射器のポンプの水圧で一気に膀胱に押し戻す処置をしました。

ただ、この処置は私一人では足りないので、お母さんにわんちゃんを支えてもらい、娘さんにも手伝ってもらいました。


・・・何度がやってみましたが、尿道のツマリが開通できない・・・・・。

尿閉は緊急事態です。
あとは、麻酔をかけてガッチリ処置をするか、手術で取り除いたり、尿道を作ったりするしか手段がありません。
緊急回避の手段としては、膀胱穿刺といって、膀胱に直接針を刺しておしっこを抜く方法がありますが、またすぐに溜まってしますし、本人も元気がない状態なので、”明日、近隣の病院で・・・”なんて悠長なことは言ってられません。

もう6時を回っていましたが、そのお宅の近隣に、面識のある信頼できる動物病院がありましたので、直接その場で電話をしました。
遅い時間から手術の可能性も高いのに、快く受け入れを承諾していただき、お母さんはお一人で車に乗せるのが困難なようだったので、私が車まで運び乗せてあげ、その動物病院まで連れていってもらいました。

往診のみで診療をしていると、やれることの限界はありますから、近隣の先生にお願いすることも多くなる。。。
自分でもわかってはいたし、HPなどでも説明はしていますし、飼い主さんも了承したうえで呼んでくださるのでしょうが、個人的には”往診だからできない”という言葉で逃げたくなくて、精一杯のことを考えて動いているつもりで。。。

そもそも特殊な手術で私に技量がないレベルのことであれば、諦めもつくのですが、尿閉の解除も、手術も、自分の技量的にできないわけではないので、施設がない、設備がない、という理由で最後まで責任を持てないことが、悔しいというか、情けないというか、なんか複雑な思いをして帰ってきました。

獣医療が発展してきて、先生方の専門性もどんどん増してきていますから、私が持ってる知識や技量なんてホントにちっぽけなものです。

『自分1人で今の獣医療の全てのことができるわけがないんだから、目の前の患者さんが元気になって飼い主さんが笑顔になってくれれば、得意な先生にお願いしたり、高度医療病院にお願いしたり、手段はなんでもいいんだと思う』

勤務医時代の途中からそう思えるようになってきたので、往診専門というかなり制限の多い形態に踏み切れたというのもあるのですが、私のちっぽけなプライドが、自分の中の何かを邪魔しているんだろうな、なんて思って、いろいろ考えさせられた一日でした。

後日、お願いした病院の先生から連絡をいただき、尿道には20個くらいの小さな結石が詰まっており、内科的にどうにかなる状況ではないので、手術で解決しました、とのことでした。高齢でしたが腎臓の機能は大丈夫だったとのことなので、あとは回復を待つのみ、といった状況だとのこと。

もともと、とても優しい口調の先生なのですが、最後に『困った時はいつでもこちらに回してもらっていいですよ~』と明るい声で言っていただき、すごく救われた気分になりました。

たぶん、設備がない私のほうが近隣の先生のお世話になることが多いのでしょうが、通常の動物病院が、診察や手術もしながら往診も並行して行うことがとても大変だという現状もよくわかってますので、他の動物病院さん達ともお互いの得意な部分で上手に連携して、大事なペット達の治療に当たれるようになればいいよな、と思うのでした。






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涙やけのお話
2016年01月15日 (金) | 編集 |
往診先での飼い主さんとの会話。

『先生のところのるいちゃんって、写真で見ると涙やけがなくていいですねー』

涙やけ・・・・眼の内側から鼻筋のあたりが常に涙で濡れていて、白系の毛色のワンコさんだと、
毛が茶色に染まってしまう状態です。

そもそも、目の表面で作られた涙は、眼瞼の内側にある鼻涙管という穴から鼻に抜ける管を通じて排泄されるのですが、何らかの理由でうまく排泄されなくなって、あふれ出てしまうことでおこる現象です。

鼻涙管の閉塞   といいます。

じつは、るいちゃん。その名前の由来は、おうちに来たときは涙やけがひどかったので、”るい=涙”だったりするのです(なんという安直な名前の付け方・・・)。

来た当時の写真がこちら

160115-1.jpg


ね、目の内側の毛が茶色に染まってますよね。
涙の成分が、空気に触れて酸化することで、毛の色が変わってしまうようです。

ちなみに、涙に関わらず、体液の成分(唾液、尿など)も、毛に付着したままだと、周囲の毛が茶色に染まります。
ラブラドールなどが、夏場に暑くてハアハアしていてよだれが常に出ていたりとか、
ずっと一か所を舐め舐めするとか、オシッコの周りの毛が茶色になるとか。

涙があふれてしまう原因の一つに、鼻涙管のツマリ、があります。
もともと非常に細い管なので、老廃物や涙のカスのような成分が詰まると流れが悪くなり溢れます。

鼻涙管の洗浄といって、細い管を使って、水圧で洗ってあげると、開通して流れが良くなります。

もともと先天的に閉塞(水が通らない)子や、超小型犬だとすごく管が細いこともあるので、処置をしても改善しないこともしばしば。
最近は、バランスの良いドッグフードにすることで、涙の成分が老廃物でドロドロしないようにしてあげることで、鼻涙管が詰まりにくくなり、症状が改善することもあるようです。

洗浄の処置は麻酔をかけないと難しいので、るいちゃんは避妊手術をするときに、合わせて洗浄処置を行いました。
開通はしたのですが、鼻涙管自体は細い子だったので、心配していたのですが・・・。

おかげさまで、すっかり改善。現在のるいちゃんはこちら。

160115-2.jpg


綺麗ですよね(^o^)

生死にかかわることではないですし、目の健康が阻害されるわけではありません。
麻酔処置になりますので、往診の立場の私では、洗浄処置はできませんが、フードのアドバイスはできますので、お困りの際はお声かけくださいね。
構造的な問題であった場合、水道の配管が詰まっているのと同じなので、いくらフードを変えても改善のしようがないと思うのですが、フードが原因であった場合、涙の成分だけがサラサラになるわけではなく、全身をめぐる体液の成分が、老廃物の少ない状態になるわけですから、健康にもいいのかもしれないですね。


で、その飼い主さんとの話の続き・・・

『でも、”マルチーズ”って、目のところが茶色い子が多いですもんね、よかったですね』

『・・うちのるいちゃん、トイプードルなんですよ~~☆』

『え~~~!!』

・・・・・・・・よくある話の流れです、、、(^_^;)





今年もよろしくお願いいたします
2016年01月04日 (月) | 編集 |


るい動物病院は本日4日より通常診療をしております。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。






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