るい動物病院のブログ 知多半島エリアで往診専門の動物病院をしています
暑い日の大型犬
2015年08月26日 (水) | 編集 |
往診では、大型犬のお宅に伺うことが多く、その多くは屋外のお庭の一角で飼育されています。

今、16歳の高齢のラブラドールレトリバーさんが後肢の脚力が弱くなって自分で立てなくなってきたとのことで、
定期的に鍼灸治療を行うために伺っています。

大型犬の16歳・・・うらやましいくらいのご長寿さん。

足どりこそ弱くなっていますが、食欲は旺盛、鍼灸治療にも反応して、なんとか自力歩行が可能になっています。

で、先日伺ったのですが、その日は私自身が参ってしましそうなくらい暑い日でした。
ワンコにはこの暑さはキツイ・・・高齢ならなおのことです。

往診をする以前は、大型犬や、屋外飼育のワンコの暑さ対策は、
『できるだけ涼しいところ・・・可能なら玄関先とか、屋内に入れたほうがいいんだけどねー・・・』なんて話をしていたのですが、
実際にお宅に伺うと、大型犬を屋内に入れて飼育することが難しい環境のほうが多いことに気づかされます。

”言うは易し、行うは難し”

診察台を介して話していた時はそれで終わりだったのですが、実際に伺うと、一緒に涼しい空間づくりを考えることになります。

そのお宅も、お庭の一角に鉄格子の柵で囲われて、天井には屋根を作ったその子のおうちがあり、
さらに日よけを立てて、日が当たらないように最善を尽くしておられました。

でも、暑いものは暑い・・・。

今の住宅は、玄関も少し広かったり、リビングダイニングに仕切りがないので広い空間が確保されている場合も多いかと思うのですが、私の親世代(昭和50年代くらい?)の住宅は、一概に言えませんが、玄関もそんなに広くないし、台所・食卓・茶の間・と空間が仕切られていて、なかなか広めの空間の確保が難しかったりします。

また、屋外で飼育されていた子は、屋内では落ち着かず、外に出たがる子も多いのです。

なので、小屋の周りに打ち水をしたり、最近はホームセンターでホースにつなげて水を出すと、ミスト状に拡散されて、その周囲が気化熱で温度が下げられるアイテムもあったりするので、試してもらうように勧めてみたり、鍼灸治療はガレージで行っているのですが、ガレージのほうが涼しく感じるので、一番あつい時間帯はこちらで過ごすほうがいいのかな、なんて話をしたり・・。

治療中も、伏せの状態で、”ハアハアハアハア”と息が荒い状態が続いていたので、往診車のクーラーボックスに入っている保冷剤を首の下に置いてあげたら、しばらくして呼吸が少し楽になってくれました。

首の下、脇の下、内股には皮膚に近いところに大きな血管が走行しているので、そこを冷やすと効果的です。

動いちゃったらダメだけど、こんなやり方もありだね、なんて話をしながら、実際に生活してる空間の中で、何気ない日常の会話ができるのも、往診診療の魅力のような気がします。

朝晩は対象過ごしやすくなってきましたが、残暑が厳しく、日中は猛暑日が続くと思いますので、油断せずに暑さ対策をしていきましょうね。


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前足をかばっているワンコ
2015年08月12日 (水) | 編集 |
春ごろの話です。

”半年前から左前肢をかばって歩いています。車に乗るのが嫌いなので、動物病院に連れていけません。近医で事情を話して来院させずに鎮痛剤だけもらったけれど、あんまり変わらないんです”

お庭で飼われている15歳の中型犬ミックスワンコ。名前はゴンちゃん。
若かりし頃は、近所でも有名な威勢のよいワンコだったらしく、飼い主のお母さんは、嫌なことをして怒ってくるのが怖くて、しっかり患部を確認できない、とのこと。

歩き方を見ると、足先は地面に着けますが、ピョコピョコと痛そうに左足をかばって歩いています。

確かに嫌なことをすると怒りそうな雰囲気はありますが、高齢ため動きも少しのんびりなので、触って触れないことはなさそうな感じです。

往診車からエリザベスカラーを持ってきて、本人につけると意外に嫌がらずに許容してくれました。

後ろに回り込んで、私の両足で体を挟み込み、首輪をつかんでちょっと羽交い絞めのような体制(決して無理はしていませんよ)で、前足を見ると、狼爪が伸びすぎて巻き込んでいます。

ワンちゃんは前足(時に後ろ足も)に人の親指にあたる部分があり、その指は地面から離れたところにあるため、爪が伸びすぎると羊の角のように、くるりと巻き込んで、皮膚の刺さってしまうこともあります。
(まったく切らなくても伸びてこない場合もあります)

お互いにとって安全に爪を切るためには、飼い主さんに支えてもらうしかありません。

”カラーの中に手を入れなければ噛まれることはないから”と説明し、首輪をしっかりつかんでもらい、無事に巻き込んでいる狼爪を切除することができました。

その瞬間から歩きからが明らかに楽そうになりました。
ただ、半年間びっこを引きながら歩いていたため、肘の関節と肩の関節が固くなってしまい、反対の足と比べて腕をしっかりと曲げることができなくなっていました。

爪が伸びすぎた・・・・たったこれだけのこと。

獣医療とは呼べないほどの、ほんのささいなことなのですが、”動物病院に連れていけない”というだけで、こんなに大変な思いをしているワンコがいると思うと、私のしている”往診”というものの必要性を感じた瞬間でもありました。

”この子、高齢だし、何かと心配だから、健康チェックに毎週でも来てもらえないかな”と言われ、腕のリハビリも兼ねて、1週間に一回伺って、ゴンちゃんにガウガウと怒られながらも腕の曲げ伸ばしのリハビリを続けた結果、2か月ほどで可動域も広がり、完全ではないものの、かなり歩行も良くなりました。

もう毎週来なくてもいいかなーって思っていたころに、肛門周囲腺腫(去勢手術をしていないオスのワンコにできやすい、肛門周りの腫瘍です)が大きくなってきて時々自壊(擦れて破れて出血すること)してきたので、そちらのケアも含めて、今でも毎週、ゴンちゃんに会いに行ってます。

腫瘍のほうは、出血や炎症が強いときは抗生剤と消炎剤を使いましたが、抗腫瘍のサプリメントが上手に効いてくれて腫瘍のサイズが少し小さくなってくれたのもあり、現在は小康状態。
擦れて赤みが強くなると、オゾン化オイル(オゾンガスを含んだオイルです)を塗ると翌週には改善しています。

抗腫瘍のサプリメントやオゾン化オイル・・・いずれも一般的な獣医療のやり方からは外れていますし、”んなもん、効くの!?”と私も思っていた時期がありますが、副作用を気にせず、本人が改善し、飼い主さんが満足してくれれば、それでOKなのです。

飼い主さんも”怖い怖い”と言いながら、ゴンちゃんがかわいくて仕方ないらしく、”昔よりも元気になった気がする”と喜んでくれ、私もうれしい限り。

ゴンちゃんには、”オマエまた来たの~・・・”みたいな目で見られますが・・・。

上手にお歳を取っていこうね、ゴンちゃん♪