るい動物病院のブログ 知多半島エリアで往診専門の動物病院をしています
知多半島のキツネ
2015年07月16日 (木) | 編集 |
私はパンが好きです。
常滑市内には何軒か美味しいパン屋さんがあり、時々利用させてもらっています。

先日、お昼前の往診の帰り道に、ちょうどパン屋さんの前を通ったので、お昼ごはんにしようと思い寄り道。
お気に入りのパンを買って、会計をお願いしていると、
オーナーが、窓越しに私の往診車をみて

『動物病院の先生ですか?』って聞いてくれました。

なんでも、数日前の夜10時ごろ、このパン屋さんの前の通りで、キツネが車に引かれたのだそうで。
たまたま通りかかった車の運転手さんがパン屋さんに、
『まだ息があるので、獣医さんに診てもらいたいから、一緒に空いている病院を探してもらえないだろうか』
と頼まれたとのこと。

知多半島内にはそんな遅い時間まで通常診療をしている動物病院はありませんので、
(申し訳ありませんが当院も携帯の電話の電源はOFFになっております)
手分けして何軒かかけると、診てくれる動物病院を見つけたので、その車の方が連れて行ったとのこと。

その病院の先生に
『野生動物は、感染症の危険があるからできれば触れない方がいいと思うんだけど・・』
と言われて、直接その方の手に触れないよう、パン屋さんの使い捨てのビニール手袋を提供するなどして
オーナーさんも出来る限りの協力をしたのだそうです。

野生動物は、ダニなどの寄生虫が体についているのは普通の事ですし、人間は彼らにとっては天敵でしょうから、ぐったりしていても素手で触れたりすると、残りの力を振り絞って、攻撃してくることもあります。
少し元気になってきても、残念ながら助けてくれた恩を感じることはないでしょうから、そこから手に負えなくなる可能性もあります。
なので、むやみに手を触れるのは危険だと思います。

日中であれば、おそらく市町村の役所の係に連絡を取るのが正解だと思います。

ただ、今回の場合、人が抱えられるくらいの状態だと、おそらく瀕死に近い状況だと思われるので、正直厳しいを状況だと考えられますが、一生懸命助けようとしていたその方の思いが少しでも実を結んでくれていたらいいな、と思いました。


知多半島、半田市は”ごんぎつね”作者である新美南吉の出身地であり、昔はキツネがいたとのことですが、
私は勤務医時代に弱ったタヌキを保護して連れてこられたケースや、車の運転中にイタチを見ることはあっても、キツネに遭遇したことはありません。



まだ生息しているんですね、知多半島にキツネ。
住宅開発で、どんどん雑木林が減ってきていますが、残してほしいですね、知多半島に住む野生動物の住処、そして緑。




このパン屋さんで私が必ず買う、エビカツサンド。
150716-1.jpg
家に帰らず車の中で食べたので、背景が白衣のため、写真写りが悪くなっていますが・・・。

わかる人にはわかる、常滑市のこのお店の話です。
このサンド、絶品ですよ~☆

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動物看護士の存在
2015年07月09日 (木) | 編集 |
当院には、私以外のスタッフがいないので、往診先には1人で伺います。

なので当たり前ですが、カルテの作成から、診察、検査、治療、会計まで一人で行います。

保定(処置をするためにペットを支えること)は、すべて飼い主さんにお願いすることになります。
ワクチンなどの皮下注射くらいは問題ないのですが、静脈からの採血なども、飼い主さんの保定で行います。

大学時代の採血や注射の実習の時によく言われたことなのですが、

『採血は保定が9割』

つまり、動かないように上手に支えてもらえれば、採血はほとんどうまくいきますよ、ということです。
なので、スタッフのいる動物病院は、動物看護士さんに上手に支えてもらって採血をすることが多いです。
ギュッと抑え込むことなく、優しくあやしながら上手に支えてくれます。

なのですが、意外にも、今のところ飼い主さんの保定で十分採血できています。

ご自宅内だと診察台の上と違って緊張感がないから動いてしまうのでは・・と思われがちなのですが、
ペットにも緊張感がないですが、飼い主さんもリラックスしているので、
抱っこに近い支え方で、優しく抱えていてもらうと、お利口さんに採血させてくれるんですよね。

中型犬クラスの犬も、よほど攻撃的で飼い主さんも支えにためらうときは無理ですが、
恐怖でちょっと咬もうとしてくる子ぐらいなら、エリザベスカラーつけて抱えてらえれば、採血できています。


ただ、検査もスタッフに頼めないので、車に戻って一人で行いますし、
様々な処置も、すべての道具を使いやすいように用意して、身の回りに配置して行わないと、
”もうひとつ手が欲しい~~”ってなります。

パソコンにカルテ情報を打ち込むのも、ワクチンの証明書を発行するのも、自分です。
1日の往診先が多い日は、いかに効率よく動くか・・・ということを車内で作業しながら日々模索しています。

ずいぶん慣れましたが、日々勤務医時代のスタッフのありがたみを痛感する毎日です。

勤務先で一緒に働いていたスタッフのみんな、全国の動物病院で働いている動物看護士さんたち。
”肩書き”ほど決して華やかな仕事ではないと思うのですが、動物病院にとっては、大切な縁の下の力持ちです。
裏方作業が多いですし、直接飼い主さんから感謝の言葉をいただくことも少ない立場ではあると思うのですが、素晴らしい職業だと、一人で仕事するようになって改めて感じるようになりました。

飼い主のみなさんも、動物病院に連れて行く機会があれば、ちょっとそんな目で動物看護士を見てあげてくださいね。