るい動物病院のブログ 知多半島エリアで往診専門の動物病院をしています
往診医としての判断ミス
2015年06月24日 (水) | 編集 |
6月27日(土)、29日(月)、7月2日(木)は終日臨時休診となります。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。



先日の土曜日の話です。

朝から一本の電話が。
わんちゃんを往診で診させてもらっている飼い主さんからでした。

”親戚の家の猫が、1週間前に傷んだ魚を食べたせいか、2日前から元気がなくて今朝になったら白い泡を吐き、ぐったりしている”

電話の内容からは、胃腸炎や食中毒??などだが頭をよぎりましたが、朝は予約のお宅があったため、終わり次第、そのお宅に向かいました。

玄関にある2階建てのサークルの中で、確かにじっとして動かない猫ちゃんがいます。
ひとまず顔色をみて体温を測り、お腹を触診すると、パンパンに張った膀胱に触れました。

『尿閉』です。おしっこが出せていない状態です。
傷んだお魚とは関係ない緊急事態です。

猫ちゃんは”下部泌尿器症候群”といって、膀胱炎になりやすい子がいます。
細菌感染によるものや、膀胱結石によるもの、原因が不明なものなどさまざまな要因があるのですが、
雄猫ちゃんは、陰茎がとても細いので、結石の成分や、膀胱内の炎症によって剥がれ落ちた細胞成分や血液成分が尿道の出口直前で詰まってしまうことがあります。

その子も雄猫ちゃんだったので、出口がなんらかの原因で詰まっていました。
原因が何であれ、一刻も早くツマリを解除して、おしっこを出してあげないと急性腎不全で命の危険が及びます。

通常(病院によりけりではありますが)こういう場合、麻酔をかけて尿道のつまりを解除した後、尿道カテーテルという膀胱まで届く管を挿入し、膀胱内を洗浄し、場合によっては、そのカテーテルをそのまま尿道に留置(抜けないように固定)します。そうすると、おしっこが垂れ流しになるので、おうちでの管理は大変なので、何日か入院させる・・・・という流れになります。
勤務時代はそのように処置していました。

幸い、無麻酔でつまりの解除はでき、おしっこの出口は開通したのですが、血液検査をすると、やはり急性腎不全の状態でした。
もともと気が強い性格の猫ちゃんと聞いていたのもあり、
尿道にカテーテルを留置するとサークル内とはいえ、管理が大変になってしまうと思い、留置はせず。

おしっこが出たことで楽になったのか、表情も少し落ち着き、急性腎不全の対策として、背中に沢山補液をしたのですが、翌日の日曜は私自身が予定がありお伺いできないので、万が一、おしっこが出ていないとか、調子が悪いようなら、申し訳ないけれど、必ず日曜に空いている近医に行ってもらうようお願いしました。

月曜日にはもう一度伺うようにしてそのお宅を後にしました。
自分も心配しながら週末を過ごしたのですが・・・。

悪い予感は的中です。

月曜日、連絡をいただいたのですが、やはり日曜にもおしっこが出ていないので、近医で処置後、そのまま入院となったとのこと。おかげで月曜の朝からは腎臓の数値も下がり、怒る元気も出てきたとのこと。

完全に私の判断ミスです。

申し訳ないことをしましたとお詫びをすると、飼い主さんは
『いえいえ、あのとき先生が来てくれなければ、あの子は死んでいましたから・・・』と言ってくださったのですが、
あの時尿道カテーテルを留置しておけば、近医へ入院してもらうよう手配をしておけば、猫ちゃん自身も苦しい思いを2度もする必要がなかったわけですし、費用の負担も余分にかかることもなかったはず。

往診で伺えば、緊急事態の回避はできると思っています。想定できる緊急事態に対する準備は備えているつもりではいます。
ただ、その後の対応を飼い主さんと相談して、もっと柔軟に、その子にとって1番よい手段を考えなければならないと深く反省した一件でした。




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大型犬が歳をとると。。
2015年06月19日 (金) | 編集 |
6月27日(土)、29日(月)、および7日2日(木)は終日臨時休診となります。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。




一昔前は、大型犬で10歳超えると”頑張ってるね~、長生きさんだね~”とお話をしていたのですが、最近は14、15歳でも元気で頑張ってるワンコさんが増えました。

ただでさえ、大型犬は動物病院に連れていくのがひと仕事なのに、年老いた子を連れていくのは、ワンコ本人もストレスがかかって大変ということで、往診では大型犬の依頼を多く受けます。


病気の子はもちろんですが、時折受ける依頼が

『足腰が弱ってきて、踏ん張りが効かなくなってきた、介助しないと立てない』

というものです。

もともと大型犬は股関節など、足の関節にかかる負担が大きいこともあり、年齢とともに、関節に栄養を与えるようなサプリメントを飲ませているお宅も多いと思います。

でも、合わせて筋力も低下してきますので、関節の問題をフォローするだけでは解決が難しいことも多く、鎮痛剤のようなお薬を併用しても、なかなかケアがうまくいきません。
歩けない状態をそのままにいておくと、さらに筋力が低下し、関節のこわばりもでてきますので、悪循環に入り、回復が難しくなる場合もあります。

私は東洋医学に精通しているわけではないのですが、鍼灸治療を行っていますので、そういったワンコさんには鍼灸治療をさせてもらっています。

脚力が弱っている原因はいろいろなので、すべてではありませんが、治療の反応が良い場合が多く、早ければ1回処置するだけで、介助なしで自分で立って歩けるようになります。

年齢からくる問題なので、一回完結治療・・・というわけにはいかないので、2~4週間に1回くらいでケアする場合が多いですが、お薬だけじゃなくて、こういう選択肢もあるんだよ、ということを知っておいてもらいたいな、と思いました。



大型犬だけではなく、小型犬にもモチロン効果がありますよ。

マッサージを取り入れている動物病院も最近は増えてきているようです。
私はまだまだ勉強不足でマッサージを積極的に取り入れていくことはできていませんが、機会があれば勉強して、いろんな方向からアプローチできたらな、と思います。


ちなみに、鍼灸治療ではなく、オゾン療法で足どりが楽になった高齢ワンコさんもいます。
鍼灸治療もオゾン療法も”肢”だけに働きかけるものではなく、全身のバランスを取りますので、食欲が旺盛になったり、活動性が増したりと、他のプラスの効果も期待できます。


薬物療法ではないので、改善させているのは自身の力。
生き物の持っている生命力というか、生きる力ってすごいなーと毎回感心させられます。

”元気に歳を重ねていく”

人もペットもそうありたいですね。

懐かしの再会♪
2015年06月13日 (土) | 編集 |
6月27日(土)、29日(月)、および7日2日(木)は終日臨時休診となります。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。




土曜日の出来事です。

往診先からの帰り道、大通りの交差点で、左折ゾーンで信号待ちしていると、直線レーンの車の運転手の男性が手を振ってくれています。
お顔を拝見しても一瞬どなたかわからず・・・

『お~い、○○だよ~~!』

なんと高校2年、3年の時の担任のT先生ではありませんか!!
24歳頃に開催されたクラス会でお会いしたかな・・・?、それでも約20年ぶり!!

『なんでまたこんな商売始めたんだ~~♪』
と笑顔で声をかけてくださいました。

すぐに信号が変わってしまったので、一瞬の会話でしたが、しばらく興奮が冷めない私。。。



高校2年の終わりの三者面談の進路相談で、某予備校の大学偏差値一覧表の分厚い冊子の”国立大学農学部”のページをバサっと開き、

『おまえの今の偏差値はここだからぁ・・・』と、ページのかなり下のほうに赤いラインを引かれ、
『行けるとこ、ないな~』と一言。

カッチーーーーンときて、その日から必死で勉強したことや、

センター試験で大失敗して、獣医科を狙うか、進路変更をするか悩んでいた私に
『まあ、お前はずっと獣医科を目指していたんだし、初志貫徹でいってみるか』と、背中を押してくれたこと、

大学まで合格発表を見に行った足で、高校に合格の報告に行ったら
『おまえは度胸があるから、やってくれると思ったぞ~!(私の合格は度胸によるもの??)』っと、職員室のホワイトボードに書かれていた、”本日合格発表予定の名前一覧”の、私の名前の上には花丸を書いてくれ、
私が受かった!私が受かった!!と、喜んでくれ、学年中の先生が握手をしてくれたこと(そのくらい私の合格は奇跡だったのかもしれません・・・)、

クールな印象の先生でしたが、この先生じゃなければ、私は獣医科を受験していなかったかもしれないので、今思うと本当に恩師ですね。

先生には直接開業の報告をしたわけではないので、私が開業していることをどこかで知って、気にかけていてくれたかと思うと、それも本当に嬉しくて、感激でした。

T先生、このブログ読んでくれたりしているのかな。

先生、私、頑張ってまーす!!
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梅雨時の往診
2015年06月11日 (木) | 編集 |
梅雨に入りましたね。

雨は降ってくれないと困るのだけれど、往診時はできるだけ降らないでね~って願ってます。。。

ご自宅に着くと、荷室にある往診鞄を出すために、後ろの席のスライドドアを開けるのですが、
そんなに振っていない日でも雨は吹き込みます。
大雨の日は、それはそれは大変な事態になります。。。。。

なので、中の薬品や備品はタオルで防備しています。

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背もたれにも、印刷用紙や小物類がかけてあるので、こちらも防備。

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オゾン療法を行うときは自分が濡れても器械は濡れないよう、タオルで覆ったり、
いつもなら両手で持っていけるものも、片手だと2往復。

さしている傘も、助手席に置く余裕がないので、運転時は運転席の右隅へ。

おかげで何をするにもいつもよりも時間を要してしましますので、
訪問先での往診時間が長くなったり、次の訪問先へ時間通りに着けなかったりすることもあるのですが、
ご理解いただきますようお願いいたします。。。

梅雨時期からはワンコさんの皮膚病が増えてきます。
皮膚やお耳が痒い痒いになってしまったら、ひどくなる前にお声をかけてくださいね。



オゾン療法の効果 腫瘍のワンコさん
2015年06月03日 (水) | 編集 |
オゾン療法についてのお話。
去年の年末の症例です。アップしそびれていました。

ミックス犬 14歳 膀胱腫瘍 体重20kgぐらい

『腰が立たなくなったんです』との連絡を受け訪問しました。
伺う車の中では”後躯麻痺”いわゆる椎間板ヘルニアや、なんらかの原因で後ろ足が麻痺したり痺れたりして、うまく使えなくなる状態を想定していったのですが、伺うとシャンと立ち上がってるワンコさんとご対面。

どうやら腰が抜けたように座り込んで立ち上がらなくなってしまった、とのことでした。
私が来たことで緊張したのか、立ってウロウロし始めました。

一通り触診をすると、腹腔内の下腹部にげんこつ大の大きな固い塊に触れます。
許可をいただいて超音波エコー検査をすると膀胱に大きな腫瘍があることがわかりました。

排尿はキチンとできているようで、下の色も悪くないので貧血が進んでいるということでもなさそうです。

とても切除できる大きさではないので、飼い主さんと相談のうえ、血液検査などは行わず、対症療法として
ステロイドと抗生剤の注射、およびオゾン注腸法による治療を行いました。

心配だったので、翌日もう一度伺ってお話を聞くと、処置の後2時間くらい熟睡し、起きたと思ったらそこからいつも通りの元気がでてきた、とのこと。

私が伺う前は、玄関の段差が自力で降りれなくなり飼い主さんが介助したそうなのですが、ヒョイヒョイっといつものように玄関の段差を降りたとのことでした。

ステロイドと抗生剤の投薬は継続し、2週ごとにオゾンの治療も併用しましょうということで、さらに一週間後に訪問。

状態は問題なく、排尿も普通にできているとのこと。

2回目のオゾン注腸法を行いました。
内服に抗腫瘍目的のサプリメント剤も追加しました。
つぎは年明けに伺いますね、とのことでお宅を後にしました。

年明けに電話があり、大みそか、12月31日に突然状態が急変し亡くなってしまったとのことでした。
私も休診でしたので、対応できなかったことが大変申し訳なかったのですが、
飼い主様は直前まで元気で生きてくれたことに満足してくれた様子でした。

世の中に”何にでも利く魔法のような治療法”というものは存在しませんから、オゾン療法も同様で、治療対象は幅広いのですが、どこまで体が反応してくれるのかは、まだ私自身にも未知数です。

生き物が本来持ち合わせている”老い”や”寿命”をびっくりするほど延ばすことは難しいかもしれない。
でも、今までであれば、注射や投薬治療までしか提供できなかった自分の診療で、ひとつ提供できる選択肢が増えたのかな、と感じています。

ペットに無理をさせず、でも治療をあきらめないこと。
命の灯が消えるその日まで、気持ちよく過ごしてもらうこと。

ものすごく難しいかもしれないけれど、そんな診療を目指していきたいと思っています。
開業して1年経ちました♪
2015年06月01日 (月) | 編集 |
1年前の6月2日、るい動物病院を開院し、無事に1年を終えることができました。

1人でご自宅に伺って診察・治療をすること。
自分でイメージはできていたものの、経験のないことなので期待半分、不安半分での開院でしたが、
周りの人たちの応援、たくさんの新しい出会いのおかげで、本当に充実した1年でした。

施設内での診察と違い、飼い主さんやペット達に不便な思いをさせたことも多かったかと思いますが、自宅内ということで、ワンコやニャンコが緊張感なくいつも通りの表情を見せてくれて、毎日癒されながら楽しく診察させてもらうことができました。

本当にありがとうございました。

正直な話、勤務医時代はいろいろ思うことがあって、どこかで”いつか獣医を辞めよう”と思っていたんですよね。
やりがいはあるし、毎日は充実している、、でも本当に自分がやりたいことはこれなのか、この先20年続けていけるのか、って思っていたんです。

でも、往診専門という形でペット達の診察に関わり、飼い主さんのペットに対する愛情を、施設の診察の時以上に感じられるようになり、また、西洋医学以外の様々な代替療法の勉強を始めたことで、ペットに優しい治療法が沢山あることを知り、獣医師になって初めて、獣医という仕事が楽しい・・・というか、獣医になってよかったと思えるようになりました。

これからも微力ながら、往診を必要としてくださる方々のお役に立てるよう頑張りたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。



1年間で走った距離
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26398km。

多い日は1日200km。。。東海ICから師崎まで一気に南下したり、1日に南知多2往復・・・なんてこともありました。
いろんな景色を走り、知多半島はいいところだな、と再認識した1年でもありました。

明日からも、るいちゃん号、頑張って走りま~す♪