るい動物病院のブログ 知多半島エリアで往診専門の動物病院をしています
車載の検査機器  その1 『顕微鏡』 『血液検査機器』
2014年10月29日 (水) | 編集 |
『往診でワクチンって打ってもらえるんですか?』
『往診で血液検査までしてもらえると思いませんでした~』など、
いろいろ往診の守備範囲というか、診療可能範囲について、お声をいただきます。

開業前のブログで検査機器についてちょっと触れましたが、ここで改めて車載している機器について、HPと連動させる形でお伝えしようと思います。

当院は”往診専門”といっても、施設の診察台での診療ができること!、を目指していますので、車一台の訪問でも、ここまで可能なんだ~って思っていただけると幸いです。

『顕微鏡』

後部座席に入ると目の前に顕微鏡があります。

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これを使って、肉眼では確認できないこと・・・糞便検査・尿検査・皮膚などの寄生虫の検査や、血液の塗抹標本や細胞診(腫瘍などの細胞を染色液で染めて確認する検査)の検査などを行います。

ちなみに、顕微鏡の上にかけてある緑色の紐、これは運転中の転倒防止用の固定です。

染色・・・というお話を出しましたが、血液や細胞は、そのままでは色がないので、細かい形態の確認ができません。
細胞を染色するにはいろいろな試薬があるのですが、訪問医療では染色時間を十分に取れないため、簡易染色と言って、数十秒で染めることができる試薬を使っています。

試薬です。

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必要な検体の載ったスライドグラスを、左の液から順番に5秒ずつ浸していきます。最終的にスライドグラスを水で洗い流すと、血液は赤く染まり、細胞の核の部分は濃い紫に染まり、様々な細胞の形態を確認することができます。

・・・・以外にこの染色作業を車内で行うのは大変で。。。

同業の方や、染色の経験がある方はわかるかと思いますが、この染色液、ほかのものに付着するとなかなか落ちません。
この狭い車内で瓶をひっくり返そうものなら、さあ大変・・・。
手指についてもなかなか落ちません。。。

なので、この四角の容器に小さく切ったペットシーツを敷き、その上で、手指に液がつかないよう、慎重にふたを開け、液の小瓶を倒さないよう、さらに慎重にスライドグラスを染め、その後蓋を閉めて液の瓶をしまったら、水の入ったボトルでスライドグラスについた余分な液を器の中で洗い流す・・・・という地味な作業を行っています。

たぶん、この作業をしてる私の変に緊張している後ろ姿は、人様にはお見せできないかも。。


『血液検査機器』

その1  血球計算機

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その名の通り、血液の数を数える器械です。

この機械で赤血球の数や濃度、白血球の数、血小板の数を数えます。
白血球にはさらに細かい分類があるのですが、この機械では白血球の細かい分類までは確認できないので、必要であれば先ほどの染色作業を行って、白血球の分類や、赤血球の細かい形態の観察をします。

以前、ブログで紹介したのですが、この器械、そもそも車に積むのはかなり無謀らしく。。。

血液の数を数えるには、器械が自動的に血液を希釈して測定します。
この台の下に希釈液が積んであるのですが、機械の中に希釈液が残ったままだと、運転の振動時に、機械の中にその液が漏れてしまうらしく、器械内部が濡れてしまい故障のもとになるそうなので、毎回運転前には機械の内部の液を廃液する作業をし、訪問先での検査時は、液を満たして検査を行い、終わったらまた廃液作業をする・・・と、どこかに固定していある状態よりもひと手間がかかります。

でも、この検査ができないと血液検査は成立しないので、私の往診車では必須の機械です。

その2

『血液生化学検査器』

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血液検査でも、血糖値や肝機能、腎機能など、主に内臓機能を測るための検査器です。
手前に見える小さな器械は遠心分離器です。
この遠心器で血液を血清分離した後、この検査器にかけます。
尿検査なども、尿を遠心分離器にかけて、尿中の細胞を集め、顕微鏡で確認したりします。

この生化学の器械、一定の温度まで暖まらないと作動できないので、スイッチを入れてから使えるようになるまでに数分かかります。
それは問題ないのですが、反対に、器械そのものが35度以上に上昇すると作動しません。
夏場の血液検査で、車内が暑くて器械が暖まりすぎて作動せず、車内のエアコンを前回にして、クーラーボックスの保冷剤を器械の上に載せたりして、ようやく使えるようになったことがあります。
これも、往診車ならではのハプニングでした。。。

精密な医療機器なのに車で移動する・・・という過酷な環境の中、今のところ(?)故障することなくちゃんと仕事してくれています。


上記の2つの器械で、一般検査は対応可能です。
ホルモン検査などの特殊検査については、専門の機関に依頼することもあります。



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