るい動物病院のブログ 知多半島エリアで往診専門の動物病院をしています
往診での爪切り
2017年09月11日 (月) | 編集 |
私の往診では、”爪切りのみ”でお伺いしているお宅が何件かあります。
ちょうど同じ日に2件、爪切りの往診をしたのでご報告したいと思います。


◆ウサギの爪切り◆

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ウサギは室内飼いをしていると、爪が削られないので伸びすぎてしまいます。
伸びすぎた爪が、カーペットなどに引っかかると、根元から折れて出血してしまうこともしばしば。

ただし、ウサギさんの爪切りは結構大変です。

ウサギは、脚力はとても強いのですが、体の軽量化のために、骨がとても菲薄で強い外力で簡単に骨折してしまいます。
なので、おとなしいウサギさんは、頭をタオルなどで隠すと少しおとなしくなるので、飼い主さんでもできる場合があると思うのですが、暴れる子を抑え込んで爪切りをしようとすると、飛びはねようとして足の骨を折ったり、抑え込んだ時に腰の骨を折ってしまうという事故が実際に起こります。

今回は、怖がりで捕まえようとすると大暴れてしまうウサギさんです。

私は一人で伺うので、扱いに慣れた動物看護士はいません。飼い主さんに手伝ってもらいたいところですが、飼い主さんは、自分の家の子が暴れると、どうしても制止させようと抑えてしまいます。
事故防止のために、一人で行う必要があります。

いろいろ方法はあると思うのですが、私の場合はこんな感じです。

左手で、首根っこを鷲づかみします。
絶対離さないようにしっかり持ちます。

そのままひっくり返して仰向けにします。
そうするとウサギは一時的に催眠状態(起きてますけど)になり、体が硬直します。

その間に、さっさと爪を切ります。

なにぶん、ストレスをかけているのは間違いないので、時間はかけられないのと、
左手がふさがっているので、右手のみで、爪切りの穴を爪にそっと差し込み、安全なところで切ります。
毛が被っていたり、角度的に見にくかったりすると四苦八苦します。

何回も伺っているお宅なので、ウサギさんも慣れたのか、覚悟が決まるようになったのか(?)、今回も無事に終えることができました。

毎回緊張します。。。。

◆暴れちゃうワンコの爪切り◆

元気の良いビーグルさんです。
嫌なことをしようとすると、躊躇なく咬んできます。。。
初回の往診の時、耳を診たかったのですが、見れませんでした・・・・。

爪切りであればエリザベスカラーさえつけられば何とでもなるのですが、これが一苦労で、エリザベスカラーを咬んでくるので付けられません。。
こういう時は、おうちの中で一番言うことを聞いてくれる人(行動の抑制を図れる人)がいる時間に伺うようにします。

このワンコの場合、一番言うことを聞いてくれるのは息子さん。

・・・しかし、息子さんの制御でもエリザベスカラーが付けられません。
さてさて、困った・・・・・(-_-;)

すると、車に乗るのが大嫌いで、車に乗ったら毎回怖くて動けないから、その間になんとかならないかな、という情報が。

試しにご自宅の車の後部座席に乗せると、尻尾を丸めて固まって動けません。
これはチャンスかも、と思い、エリザベスカラーを付けようと首に回しても、威嚇する余裕もないようであっさり付けられました♪

お~、素晴らしい!ナイスアイデア!!

運転席側の後ろ席で息子さんに支えてもらい、助手席側の後ろの席で私が爪を切る。
半分終わったら、向きを変えたいので、息子さんに把助手席側の後ろに回ってもらい、私は運転席側へ。。。。

ということで無事に爪切り終了~!

実は今回は、この方法で2回目の処置だったのですが、ビミョーに慣れてきてしまったのか、途中で『ウ~~!』と威嚇の声が。

『ウ~~じゃない!!』

と一喝し(愛情込めてですよ(笑))、シュンとしたところで無事に処置させてもらいました。

この子も毎回緊張です。
次回は車に慣れちゃったりしませんように。。

爪は伸びすぎると折れたり、肉球に刺さってしまったり大変なことになる場合もあります。
私は一人往診ですから、飼い主さんの協力が不可欠なのですが、大変そうな子でも結構なんとかなってしまう場合が多いので、爪切りだけでもお伺い可能なので、お困りの際は、ひとまずお声かけくださいね。








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熱中症!!
2017年07月13日 (木) | 編集 |
先日の話です。

夕方に1本の電話が鳴りました。

『うちの犬がぐったりして呼吸が荒いみたいなんです・・・・・』

高齢の大型犬をお庭で飼育しているお宅。
”みたいなんです”というのは、お電話をしてきた飼い主様(お母さん)は、仕事で自宅にはおらず、
先に帰宅した息子さんが発見して連絡してきた様子。

予防注射や診察で伺ったことのあるお宅なので、飼育環境は知っています。
昨日から一転して、その日は異常な蒸し暑さ。
熱中症の可能性が極めて高いと思いました。

ひとまず、水道の水で体を濡らして冷やしてもらうこと。
保冷剤があれば、股の間や脇の下、首元に当てて冷やしてもらうこと。
なおかつ、濡らすだけではなく、扇風機が届けば扇風機、無理ならうちわでいいので、風で体を冷やすこと。

これを息子さんに伝えてもらうことにして、自分は次の訪問予定のお宅にお断りを入れ、早急にそちらのお宅に向かいました。

到着すると、お庭の一角に仕切られたエリアで、舌をダランと出して、横たわって息苦しそうに呼吸しているワンコ。
傍には高校生(くらいかな)の息子さんが、ホースの水で体を冷やしつつ、保冷剤を当てている状態。

緊急事態です。

外飼いの大型犬の緊急事態はもう、”野戦病院状態”になります。

ひとまず2人で抱えて庭の広いエリアへ。

体温を測ると41.6℃。
完全に熱中症です。

犬の平熱は38℃台で、人よりも高めですが、上限のマックスはあまり変わりませんから、この体温はとても危険です。

息子さんが手にしているのは、ケーキなどを買った時に入っている小さな保冷剤。
当然、そのサイズでは小さすぎて体は冷えませんし、すでに溶けてしまっています。
息子さんでは、大きな保冷剤のある場所がわからない様子。

ひとまず往診車の中のクーラーボックスに入っている保冷剤で対応してみましたが、これでも足りない。

すると、離れに住んでいる(と思われる)おばあちゃんが様子を見に来てくれました。

『おばあちゃん、大きめの保冷剤ないかな?』
『あ、あるよ~』そういって、スーパーの袋一杯の保冷剤を持ってきてくれました。

股の付け根
脇の下
首元

ここには、表面に近いところに大きな血管が走っていますので、この部分を冷やすと効率的に体が冷やせます。

そして、リビングから扇風機を持ってきてもらい、往診車に積んである延長コードで電源を確保し、風を当てて体を冷やします。
まだ外は30℃を超えていると思われる温度です。

以前のブログに書きましたが、扇風機で人が涼しく感じるのは、体表面の汗が風で蒸発する時に、『気化熱』が発生して体の熱が奪われるから。
暑い中、犬にそのまま当てても、熱波をかき回すだけでちっとも涼しくなりません。

大型犬ですから、水風呂に漬けるわけにもいきませんし、ホースで水をかけ続けては、庭がグチャグチャになるので、そのほかの対応ができなくなります。
なので、ホースで体を濡らした上で、扇風機の風を当てます。
そうすると、被毛についた水分が蒸発する時に、気化熱が発生して、体が冷やせます。

ただ、扇風機の首を一番下に向けても、ワンコに当たらないので、息子さんには扇風機を持ってもらい、直接ワンコに風を当てる係に。

そうしてもらいながら、私は血管に留置針を入れて点滴を開始し、車に戻って血液検査へ。
車内とお庭を行ったり来たり。タオルを首に巻いて、汗だくになりながらの作業です。

おばあちゃんは、、、暑さでばてちゃうといけないから、玄関で休憩をしてもらい・・・・。

そんなこんなしているうちに、ワンコの意識がちょっと戻ってきました。

熱中症の怖さは実はここから。

高体温が持続することで、体温を正しく保つ機能が一時的に壊れてしまうので、保冷剤などで積極的に体温を下げていくと、どんどん下がり続け、平熱を下回って低体温になる恐れがあります。

血液検査や点滴をしながら体温もこまめにチェック。
40℃を切ったところで、当てていた保冷剤は取り除きます。

39℃前半になったところで、扇風機も解除。お兄ちゃん、ご苦労様でした。
おばあちゃんが、冷えた麦茶を入れてきてくれて、点滴しながらひと休憩。

意識もずいぶんしっかりしてきたところで、お母さんが仕事から帰宅。

でも、体温が下がって意識が戻ってきても、実は熱中症の本当の怖さはこれから。
高体温により、体内の細胞がダメージを受けすぎると、多臓器不全になることもありますし、消化管のダメージが大きいと、ひどい血便になることもあれば、腸内細菌が細胞のバリアを突き破って、全身に巡ってしまう恐れもあります。

熱中症って、高熱になるだけではない、そのくらい怖い病態なのです。
現状の血液検査では、臓器のダメージはさほどではありませんが、いろいろと注意事項をお話して、後ろ髪引かれながら、そのお宅を後にしました。

こういうときって、本当なら入院させて観察するんだろうな、、、と思いつつ、これが往診の難しさです。


翌日。
心配しながら伺うと、元気に動きまわっているワンコの姿がありました♪

下痢や嘔吐もなく、朝も普通に食事をとってくれたとのこと。

よかった~~~、一安心です。
その後も連絡はないので、多分元気ていてくれているのだと思います。

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これから夏本番です。
特に高齢犬は、歳を追うごとに体力が衰えていきますから、去年大丈夫たっだことが今年は大丈夫じゃない、ということが、普通に起こります。

暑さ対策は充分に取っていただき、上手に乗り越えていきましょう。






予防接種③
2017年04月24日 (月) | 編集 |
前回、ワンコは基本的に臆病なので・・・と書いたのですが、同じ『臆病』にもタイプがあって、こんなタイプの子は、長居して待っていると、逆効果になることがあります。

知らない人が来ると、吠えもせず尻尾を巻いて、耳が伏せちゃっている状態のワンコ。
まったく外に出ず、家族以外と接点がない室内犬とか、小型犬に多いです。

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(あんた誰だ~、あんた誰だ~!)
って、ワンワン吠えているタイプの子は、私と出会った瞬間に興奮のピークが来て、だんだん治まるタイプなので、知らんぷりしていても寄ってきてニオイをクンクン嗅いだり、離れたり寄ってきたりを繰り替えしてもらううちに落ち着いてくる場合が多いのですが。

尻尾巻いて逃げ回っちゃう子は、
(いや~~~、そばに来ないで~~~!)
といった感じで、心臓が口から飛び出してきそうな恐怖を感じるタイプ。

じーーーーーーーーーっと我慢していて、限界がくると

『ばーーーん!!』

って爆発しちゃうので、さっさとやらないといけない。
こちらも注射の準備は万全にして、飼い主さんにさっと捕まえてもらって、抱え上げた瞬間に打ってしまう感じです。

”注射”が怖いのではなくて、”知らない人の何もかもが怖い”のです。

捕まらなくて飼い主さんが追いかけまわしたり、エリザベスカラーを付けたいけどもたもたしちゃったりすると、恐怖が極限に気て、パニック状態になって、注射以前にどうにも手が付けられなくなる場合もあります。

3分・5分待っていても、残念ながら心を開いてはくれないようです。

私はオトモダチなりたいんだけどなー、っ思うんですけどね。
獣医さんは残念ながら、動物に好かれる職業ではないんだよなーって思う瞬間だったりします。。。
予防接種②
2017年04月24日 (月) | 編集 |
ふだん往診で呼ばれるお宅は、どちらかというと高齢だったり、病状が深刻だったりするケースが多いのですが、この時期は、狂犬病の予防注射やフィラリア予防の関係で呼ばれることが多く、若くて元気のいいワンコさんと沢山会えるので、往診に伺うのもちょっとテンションがあがります。

pet_inu_chuusya.png

時々、お問い合わせであるのが

『うちのこ、キツイからまともに注射を打たせてくれるかどうか・・・』

とか、

『咬んでくるかもしれないから、口輪がいるかも・・・』

というお電話です。
多いのが、外飼いの柴犬とか、中型犬クラスのミックス犬に多いような気がします。
伺ってみないとわからないので、ひとまず往診宅に向かいます。

確かに、ワンワン吠えてはいるのですが、攻撃的な感じではないんですよね。

全てに当てはなるわけではないのですが、基本的に犬は臆病な動物。
ワンコさんが知らない人をみて吠えるのは、

『恐怖からくる防衛』
なのです。

(あんた誰だ~、怖いよー、怖いよー)

って言っているだけなんですよね。

なので、ワンコに目を合わせることなく3~5分くらい主さんとお話していると、なんとなく落ち着いてきます。
日頃、予防注射は動物病院で格闘になるようなので、飼い主さんもやや躊躇してしまうものですから、

『どうやって持てばいい??』

なんて言いながら、首を捕まえようか抱えてみようか・・・などと体制を整えようをしているうちに、チャっと打ってしまえば、

『あれ?もう打ったの???』

という感じで終われる場合もあります。

こういう子達は、日ごろあまり病気もしないので、動物病院に行く機会も少なく、しかも車に乗る機会も、室内に入る機会も少ないので、すべてのことが、びっくりドッキリになってしまうんでしょうね。

そんな興奮と緊張状態で注射を打たないといけないわけですから、抑え込む→余計に怖い!

この時期は動物病院は忙しくなりますから、のんびりとワンコの緊張を解いている余裕もないので仕方ないのですが、そのために病院嫌いのワンコを増やしてしまっているのかもなーと、勤務医時代の自分に反省しています。

ワンコの性格も千差万別。

当然このパターンに当てはまらないケースも多々ありますし、飼い主さんに怪我をさせるわけにもいかないし、自分も怪我をしたくはないので強引に接種する場合も出てきますが、飼い主さんには愛想がいいのに動物病院は大嫌い!という子は、意外とご自宅だとお利口さんに接種させてくれるかもしれませんよ(^-^)



予防接種
2017年04月08日 (土) | 編集 |
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このエリアでもようやく今週後半から桜が満開になり、桜の景色を楽しみながら往診先を移動しています。

4月に入り、狂犬病の予防接種や、フィラリア予防のご依頼など、本格的な予防シーズンに突入しました。

往診を始めてから3シーズン目。
初めての年からお声をかけていただき、大きな病気をすることのないワンコさん達でも、1年に1回会える日です。

最初の年は自分に余裕がなく、予防関係だけでもかなりテンパっていたと思うのですが、3シーズン目になると、訪問先の数が増えてきても気持ちに余裕が生れます。

尻尾をプンプンに振って大歓迎をしてくれたプードルちゃんが、注射を打った瞬間
『何すんのよ、騙された!!!』
という態度になり、お会計の際は、全く近くに寄ってきてくれなくなって、ちょとショックを受けたり、
飼い主の方ともフードや、しつけの話など、病気ではないペットならではの心配事を聞いてみたり。

病気知らずの子は、そもそもあまり伺うことがないので、お会いするのも2回目か3回目だったりするお宅もあるのですが、一度でもご自宅に伺うと、飼い主様と打ち解けた感が強くなり、なんだか親戚のおじちゃんやおばちゃんちの犬を診ているような、そんな気持ちになります。

今年で獣医師になって20年(21年目?)になるのですが、勤務医時代はその忙しさから、予防関係は、なんとなく”マニュアル化された作業”のような動きになってた部分もあり、往診現場では去年までは効率よく勧めていくことに頭がいっていたのですが、今年はなぜか、今までの獣医師人生の中で、ものすごく楽しい予防シーズンになっています。

せっかくの機会なので、健康な子に、いかに元気なままで毎日を過ごしてもらえるか、そんなご提案ができたらな、と思っています。

往診のメリットは、お話できる時間が長いということ。
病気ではないけど気になることや、フードのこと、シニア時期を迎えるにあたっての不安など。
どんな些細なことでも、この機会におっしゃってください、一緒にモヤモヤを解消していきましょう。

ただ、ありがたいことですが往診依頼件数は年々増えており、これからハイシーズンを迎えるにあたり、ご希望のお時間でお受けできなかったり、予防関係以外の通常診療での訪問依頼も同様にありますので、時間通りに到着できないこともしばしば起こります。

できればお早めに、お時間の余裕を持ってご予約いただけるとこちらも助かりますので、協力をよろしくお願いいたします。

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桜の開花を待ちわびていたので、いつも以上に桜の景色が美しく見えます、
季節の移り変わりを肌で感じることができるのも、往診のメリットのような気がします。

芽吹いてくる草木にエネルギーを分けてもらいながら、頑張りたいと思います。